婦人科について
子宮筋腫・子宮内膜症・卵巣腫瘍・性感染症・更年期障害・月経不順などを始め、婦人科が対象とする疾患は多岐に渡ります。
当院では、患者様の主訴を傾聴し、お一人お一人に、真摯に対応させて頂きますので、お気軽に御相談下さい。
がん検診
①子宮がん検診(子宮頚がん検診)
子宮頚がんは20~30歳代の若年層にも増加しており、性交渉で感染するヒトパピローマウイルス(HPV)との関連が指摘されています。
子宮頚部(子宮の入り口)から細胞を採取し顕微鏡で観察します。
がんとなる前段階で発見されることも多く、定期的な検診が推奨されています。
吹田市に住民票のある女性は、満20歳以上で誕生日が来て偶数年齢になる年に、子宮頚がん検査を500円で受診できます。(受診は2年に1回です)
検査結果に応じて、精密検査(コルポスコープ検査)が必要となることがあります。
なお、併せて後述の子宮体がん検診を受ける場合は別途500円が必要となります。
②子宮体がん検診
子宮体がんは40歳代以上の女性に多くみられます。原因不明の不正性器出血、月経異常、褐色帯下などの症状を有する方が、子宮体がん検診の主な対象となります。子宮内腔(子宮の内膜)から細胞を採取し顕微鏡で観察します。検査結果に応じて、精密検査(子宮内膜全面掻破術)が必要となることがあります。
③乳がん検診
乳腺に関しては「乳腺外科」が専門になります。婦人科では視触診と乳腺エコーで対応させて頂きますが、必要に応じて、マンモグラフィ実施医療機関に紹介させて頂きます。
40歳以上の女性の吹田市民は、誕生日が来て偶数年齢になる年に、マンモグラフィ・視触診併用検診を1000円で受診できます。(受診は2年に1回です)
子宮筋腫
生殖可能年齢の約20%に発生する良性腫瘍です。
月経量が多い(過多月経と言います)、腹部膨満感(お腹が張る)などの症状があれば、一度受診されることをお薦めします。
発生する場所や大きさによっては、不妊の原因となることもあります。
手術が必要と判断される場合には、適切な医療機関に紹介させて頂きます。GnRHアゴニストという薬を使用して、保存的に子宮筋腫サイズの縮小を目指すこともあります。
子宮内膜症
子宮内膜症は、子宮内膜組織が、子宮外の骨盤内で発育増殖し、多くの場合に周囲組織との癒着を形成する疾患です。
生殖年齢女性の約10%に発生し、激しい生理痛・排便痛・性交痛などの症状がみられます。
卵巣チョコレート嚢腫は代表的な合併症であり、手術が必要と判断される場合には、手術症例が豊富な医療機関に紹介させて頂きます。薬でコントロール可能な場合は、症状にあった最適な薬物療法を御提案させて頂きます。
更年期障害
更年期障害は、月経が不順になりがちな40歳代後半から出現することが多いです。主な症状は、女性ホルモンの低下による発汗・動悸・息切れ・不眠・顔面紅潮などですが、症状は多岐に渡り、個人差があるのも事実です。
そこで、当院では、患者様一人一人に対して、最適な治療法を御提案させて頂きます。治療法としては、ホルモン補充療法(HRT)、漢方療法、向精神薬療法、カウンセリングなどがあります。
性感染症
性感染症は、性行為によって感染する感染症の総称で、STDとも言います。梅毒、淋菌、クラミジア等あらゆる性感染症(STD)に対して、早期発見・早期治療を目指します。無治療のまま放置しておくと、骨盤内炎症性疾患(PID)に移行する確率が高くなるので、早期の適確な治療が不可欠です。
下腹部痛、発熱、帯下の増加・悪臭など不安な症状があれば、早めの受診をお薦めします。
避妊相談
①低用量ピル
現在、経口避妊薬として頻用される低用量ピルは、毎日きちんと内服することにより、高い避妊効果があり、月経痛やにきびの改善効果も認めています。ただし、稀ではありますが、血栓症や肝機能障害といった副作用の出現には注意を要し、当院では、適宜、血栓症および肝機能のチェックを行っております。頭痛や胸痛、ふくらはぎの痛みなどの症状が出現した場合には、血栓症の可能性があり、すぐにピルを中止し、医療機関を受診して下さい。
②子宮内避妊用具(IUD)
当院では黄体ホルモンを子宮の中に持続的に放出する子宮内システム(IUS)であるミレーナ(52mg)を採用しております。
低用量経口避妊薬(OC)の高い避妊効果と、子宮内避妊用具(IUD)の長期の避妊が可能であるという特徴を持っています。また、月経量が多い(過多月経)および月経困難症の治療薬としては保険適用となりました。
③緊急避妊ピル(アフターピル)
「排卵日近くに避妊をせずに性交渉をした場合」や「コンドームが破れて避妊に失敗した場合」などのケースで、緊急避難的に妊娠を防止する方法です。
避妊効果は、性交渉からの時間が短いほど高いです。
ヤッペ法とノルレボ法があります(以下参照)
従来の方法 (ヤッペ法) |
新しい方法 (ノルレボ法) |
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名称 | プラノバール錠 | ノルレボ錠 |
服用方法 | 初回2錠、12時間後に2錠 | 2錠1回のみ |
副作用 | 強い悪心や吐き気が出る場合がある | 悪心、嘔吐の率が低い |
メリット | 費用負担が軽い 以前から行われてきた方法 |
飲み忘れのリスクが少ない 従来法より高い効果と言われている |
生理不順・生理痛(月経周期変更)
思春期から更年期まで、生理不順は誰にでも起こり得るものです。
ストレスが原因となっていることもありますし、子宮や卵巣の病気が隠れていることもあり得ます。お気軽に御相談ください。
また、当院では月経困難症(月経前後の腰痛・下腹部痛)に対しても、漢方薬からピルに至るまで各種薬による治療を御提案させて頂いております。
お気軽に御相談ください。
なお、月経周期変更を希望される方に対しては、中用量ピル(プラノバール)を使用して、生理開始を早めたり遅らせたりすることが可能です。お気軽に御相談ください。